Topics

BLOG

通勤0分!? テナント料0円! 店舗兼住宅のメリットとデメリットを知りたい!

店舗兼住宅とは、文字通り店舗と住宅とが共存した建物のこと。

これなら、苦痛な通勤も不要ですし、またテナント料がかからりませんので、お店の経営を夢見る方なら一度は考えたことがあるのではないでしょうか!?

しかし世の中、何事もメリットもあればデメリットもあります。

店舗兼住宅も同じく。

さっそくご一緒に見ていきましょう。

Contents

住宅の一部を店舗にするタイプと、建物内で完全に分かれてるタイプがある

店舗兼住宅にはざっくり二つのタイプがあります。

一つは、普段の生活でも使うリビングなどのスペースを店舗として利用するタイプです。

例えば、リビングにピアノを置いてピアノ教室を開く。

あるいは、座卓などローテーブルを並べて書道教室や学習塾を開くなどが例としてあげられます。

このタイプの場合、内装をデザインするなら、洗面所や寝室のようなプライベート空間が見えないよう工夫するのが適切でしょう。

もう一つは、建物内で住居部分と店舗部分とが完全に分けられているタイプです。

例えば1階と2階とを完全に分離し、1階部分を飲食店や雑貨店として利用、2階を居住部分に充てるという使い方です。

店舗の入り口は住宅の玄関とは別につくっておけば、お客様が住居部分に入ってくることはないでしょう。

ただ、このタイプの店舗兼住宅にはいろいろと規約があります。

例えば、建物内での居住スペースを全体の25%以上確保することが求められています。

また、住居部分と店舗とが建物内で行き来ができるように設計する必要があります。

便利なようでいろいろと規約がある店舗兼住宅。

メリット面、デメリット面という観点からもうすこし詳しくご紹介いたします。

メリット

建物を店舗兼住宅にするメリットから見ていきましょう。

●テナント料がゼロ円

先にも挙げましたが、住宅の中に店舗をつくることで、テナント料がかかりません。

これは大きなメリットの一つですよね。

長くお店を続けていくうえで、ランニングコストを大きく抑えられます。

●通勤時間が発生せず、自宅の様子もすぐ確認できる

住宅と店舗とをいつでも簡単に行き来できるので、通勤ラッシュの電車や道路の込み具合に煩わされることがありません。

また、自宅に居る家族の様子をすぐに確認できるので、たとえ店舗業務で残業が発生したとしてもそこまでストレスには感じないかもしれません。

●制約はあるが、住宅ローンをつかって建てられる

一般的に、店舗を建てる場合は住宅ローンは使えません。

しかし、店舗兼住宅の場合、制約はありますが住宅ローンを使える可能性があるのです。

ただし、銀行によって条件や基準が異なります。

ローンが組めない銀行も少なくはないので、事前によく確認しておきましょう。

店舗兼住宅の場合でローンを組める銀行の場合、共通している条件は2つあります。

一つは、建物の住宅部分のスペースが総床面積の50%以上であること。

そして、店舗は他人に貸すのではなく、自分で使用する目的であることという点です。

なお、住宅ローンが組めた場合でも、対象となるのは建物の住宅部分についてのみ、というケースが多いようですので、この点も銀行に確認しましょう。

●固定資産税が優遇される

店舗兼住宅だと、店舗だけの建物よりも固定資産税の面で優遇されます。

建物の総床面積のうち、25%異常を居住スペースにしていることが条件で、居住スペースの面積に応じて固定資産税の軽減措置を受けることができます。

優遇措置を受ける基準をクリアしているかどうかについては、地元の役所にご相談ください。

●店舗部分で発生した光熱費、通信費などは経費計上できる

毎月の水道、ガス、電気などの公共料金や通信費、火災保険などの保険料は経費計上ができます。

これらが住居部分との合算で請求が来る場合は、店舗利用分と按分した金額を経費として計上するとよいでしょう。

さらに、建物や設備などの一部の減価償却費も、経費計上できます。

デメリット

デメリットについても抑えておきましょう。

●店舗兼住宅を建てられないエリアもある

実は、土地によっては用途制限があります。

例えば工場や学校、病院などは、地域によって建築可能なエリアが制限されています。

つまり、店舗兼住宅も、土地さえあればどこでも建てられるというものではなく、場所によっては建てられないこともあるのです。

そのため、事前に地域の役所などに確認しておいた方がよいでしょう。

一般的には、店舗兼住宅は住宅地域に指定されているところにも建てることができます。

しかし、業種や店舗面積に制限があることも。

その場合は、ルールをしっかり守って開業しましょう。

条件や基準は地域によって異なるため、この点も事前に地元の役所に確認するようにしましょう。

注意点としては、住宅が多い住宅用地に建てる場合、駅から距離があったり、広い駐車場を設けにくい、細い道が多いエリアが多いことです。

この場合、アクセスが悪いなどで集客が難しくなる可能性があり、駐車場を確保するなどの工夫が必要でしょう。

●プライバシーやセキュリティの確保が難しい

お客様が出入りする店舗兼住宅は、住人のプライバシーの確保が難しいという面があります。

また、店舗側はどうしても入り口や窓が大きいつくりになるので、思わぬ事件に巻き込まれてしまうこともあるかもしれません。

そのため、シャッターをつける、カギは二重にするなど、防犯セキュリティはしっかり行いましょう。

●店舗兼住宅は売却が難しい

何らかの理由で建物の売却が必要になったとしても、一般的な住宅と違って需要が低いので、店舗兼住宅の場合はなかなか買い手がつかないことがあります。

実際、店舗兼住宅の場合、物件としての価値がそう高くはならないことが多いのです。

もし、将来的に売却を考えている場合は、使いやすい間取りにデザインしたり、内装をより魅力的にするなどの工夫が必要でしょう。

店舗兼住宅で意識したい内装デザイン

テナント料がかからず、通勤も発生しない、住居と店舗とが一体になった店舗兼住宅。

最後に、お客様が入りやすいことを意識するなら、どんな点がポイントになってくるのかを見ていきましょう。

●店舗部分はお客様が入りやすい、道路に面した位置にする

店舗兼住宅は、「ここにお店がある」ということをどうアピールするかが大事です。

通行人の目に留まるよう、店舗はなるべく1階に設定し、その入り口は道路に面した方につくるとよいでしょう。

また、店舗入り口から内部へはバリアフリー構造にするのがおすすめ。

車いすの方や高齢者も来店しやすくなります。

駐車場も設けておくと、店舗兼住宅が駅から遠くてもそれほど障壁にならないでしょう。

一方、居住スペースの玄関は、道路から隠れた部分に置いた方が、住人のプライベートが守られ、防犯効果もあるでしょう。

お店のコンセプトが「隠れ家」であれば、1階の方は居住スペースに、そして2階部分を店舗にするというデザインもよいでしょう。

しかし、お客様にとって階段を上がることが負担になることもあり、リピーターになってもらうのが難しい面もあります。

2階を店舗にする場合は、また来店したくなるような気持ちになっていただけるよう、内装の工夫がより一層求められるでしょう。

●プライベート空間が見えないようにする

店舗兼住宅では、来店されるお客様に居住スペースが見えないような間取りやデザインがおすすめです。

例えば、リビングで家族がくつろいでいる姿が店舗から丸見えになっていたり、干されている洗濯物が見えてしまうなどすると、お客様が気まずい思いをする可能性があります。

●店舗と住宅の導線はきっぱりと分ける

店舗兼住宅では、1階部分を店舗にして2階を住居にというタイプと、1階部分を店舗と住居とに分けるタイプとがあります。

後者の場合、おすすめなのは店舗部分と居住スペースとを壁や仕切りなどで完全に分けておくことです。

きっぱりと分けておくことでプライバシーを守れますし、セキュリティ面でも安心です。

また、店舗部分を明確に分けておくと、経費処理が簡易になる効果が期待できて便利です。

なお、飲食店の場合は、居住部分と店舗とを壁などでしっかり分けていない場合、保健所の検査で引っかかることもあるので注意しましょう。

●ご近所への配慮も忘れずに

店舗兼住宅にするなら、業種によっては匂いや音が日常的に発生したり、夜遅くまで照明を点けておく必要があるでしょう。

そのため、ご近所への配慮が欠けると、思いがけないトラブルの原因になることも。

特に住宅密集地で開業する場合は、必ずご近所の方々のことを考え、事前に挨拶周りをしておいたり、普段から交流を深めておくなど何らか対策を取った方がよいでしょう。

まとめ

テナント料が発生せず、通勤時間もゼロ分の店舗兼住宅のメリットとデメリットをご紹介しました。

メリットは、建設時に住宅ローンを使えることがあったり、店舗分の光熱費などを経費計上できたり、固定資産税の軽減措置が受けられる点などが挙げられます。

また、仕事をしながら家族の様子をすぐに確認できるのも大きなメリットでしょう。

デメリットとしては、土地の用途制限によっては自由に建てられないこと、またプライバシーやセキュリティの確保が難しく、いざ売却したいとなっても需要が少ない点が挙げられます。

最後に、店舗兼住宅では、居住部と店舗部とを完全に分けてデザインするのがおすすめです。  また、業種によっては匂いや音、灯りのことなどを対策するなど、ご近所への配慮も欠かさないようにしましょう。